一番近くて一番遠い

「ごめん、あたし好きな人いるから。」

紗南は断る。
脳裏に浮かぶのは八重。
叶わない恋だってわかっているのに
八重以外の誰かと付き合うなんて
出来なかった。

「へぇ、そいつも紗南が好きなの?」

「まさか。あたしの片思いだよ。」

「じゃあさ、少しそいつの気を惹くの
手伝ってやろーか?」


カメラマンに聖也の肩に寄りかかるように言われて
頭をコツンと聖也の肩に置く。

「気を惹く…?」

「付き合ってるってデマ流せば
そいつも焦るんじゃねーの?
それでもそいつが
アクション起こして来なかったら
脈ナシなんだから
諦めて俺と付き合えよ。」

八重の気持を知る
チャンスだと思った紗南。
これでだめなら諦めよう。
紗南は聖也の提案を受け入れた。