一番近くて一番遠い

信は自分の美容院を手に入れ
今ではカリスマ美容師として
有名人達が足繁く信の美容室に
通っている。紗南もその一人だ。

「紗南ちゃんのおかげで
口コミが広がる広がる。」

信は子供のようにはしゃいだ。








「で?お前ら結婚はいつ?」

信の質問に紗南がむせる。

「け…結婚!?」

紗南は考えてもいなかった言葉に
動揺を隠せない。
ただ八重と再会し想いが再び通じた。
その喜びだけで頭の中は
いっぱいだった。

八重は信の頭をパシっと叩いた。

「先に言うんじゃねぇよ。」

八重はそう言って一度咳払いをすると
カバンから小さな箱を取り出して
紗南に差し出した。
紗南がそれを受け取り、箱を開けると
可愛らしい指輪が入っていた。
凛花はニコニコと
その光景を頬杖をつきながら
眺めている。

「八重…これって。」