一番近くて一番遠い

翌日、八重は自身のブランドの
オープニングセレモニーに参加した後
紗南と手をつないで街を歩いていた。


若い子達は、すぐに紗南に気づく。
それでも紗南は八重の手を離さない。
二人の手は強く繋がれたままだ。
もう誰に見られてもいい。
胸を張って八重を彼氏だと言える。

八重と訪れたのは
紗南のお気に入りの
水槽のあるレストラン。
そこで待っていたのは信と凛花だ。


「八重ー!!!」

感無量と言わんばかりに
信が真っ先に八重に抱きつく。
凛花と紗南はそれを見てクスクス笑う。

「おい元気だったのかよ!?
立派になったなぁ!!」

心なしか目元が潤んでいる信。
信も八重に会うのは3年ぶり。
嬉しいに決まっている。


「信も自分の店を持ったんだってな。」

八重は嬉しそうに笑った。