「お前はずっとうちのトップとして
走り続けて来てくれた。
ありがとな。幸せになれよ。」

社長はそう言って
紗南に手を差し出した。

「あ…ありがとう。」

紗南はこぼれそうな涙を堪えて
社長と握手をした。

社長に笑いかけられると
紗南は堪えきれなくなって
目から涙を落とした。

それを見た八重が
そっと紗南を脇に抱えて頭を撫でた。


「紗南は我が子のような存在だからな。
俺も紗南が幸せになるなら
それが一番だと思うよ。」

社長はそう言って
優しく笑っていた。