「3年前だ。3年前、あいつが突然
俺のアシスタントを
やめると言い出した。
朝は普通に出勤してきて
そんな素振りはひとつもなかった。
でも、その日の夜
突然辞めたいと言ってきた。」
「その日絵里に言われたんだろうね。」
紗南はグラスの淵を指先でなぞりながら懐かしむように言った。
「ああ。まさにその日だろう。
俺は理由を言わないあいつに腹が立って
思いっきり殴ってやったんだ。
そしたらあいつは、恩知らずついでに
頼みを聞いてくれないかって
言ってきた。」
「頼み?」
凛花と紗南は声を揃えた。
「NYでデザイナーの知り合いを
紹介して欲しいって。
俺は紹介してやる代わりに
どうしてそうなったのか
ちゃんと説明するように言った。
それで絵里の件を聞いたんだ。」
「どうしてその時
止めてくれなかったの?」
紗南はtakaを睨む。
「止める理由なんてなかった。
あいつは必死だったんだよ。
お前を手放したくなかった。
でも、お前の居場所を
自分がなくしてしまうなんて
したくなかった。」
「そんなの!
私は八重のそばにいられれば
十分だった!」
「お前はそうかもしれねぇよ。
でもな、お前が思ってる以上に
あの時のお前らは立場が違いすぎた。
八重はお前を守れるような
立場じゃなかったんだよ。
あいつは自分の手で
お前を守りたかった。
だから、お前よりも立派にならなきゃ
いけなかったんだよ。」
俺のアシスタントを
やめると言い出した。
朝は普通に出勤してきて
そんな素振りはひとつもなかった。
でも、その日の夜
突然辞めたいと言ってきた。」
「その日絵里に言われたんだろうね。」
紗南はグラスの淵を指先でなぞりながら懐かしむように言った。
「ああ。まさにその日だろう。
俺は理由を言わないあいつに腹が立って
思いっきり殴ってやったんだ。
そしたらあいつは、恩知らずついでに
頼みを聞いてくれないかって
言ってきた。」
「頼み?」
凛花と紗南は声を揃えた。
「NYでデザイナーの知り合いを
紹介して欲しいって。
俺は紹介してやる代わりに
どうしてそうなったのか
ちゃんと説明するように言った。
それで絵里の件を聞いたんだ。」
「どうしてその時
止めてくれなかったの?」
紗南はtakaを睨む。
「止める理由なんてなかった。
あいつは必死だったんだよ。
お前を手放したくなかった。
でも、お前の居場所を
自分がなくしてしまうなんて
したくなかった。」
「そんなの!
私は八重のそばにいられれば
十分だった!」
「お前はそうかもしれねぇよ。
でもな、お前が思ってる以上に
あの時のお前らは立場が違いすぎた。
八重はお前を守れるような
立場じゃなかったんだよ。
あいつは自分の手で
お前を守りたかった。
だから、お前よりも立派にならなきゃ
いけなかったんだよ。」

