一番近くて一番遠い

「…なによカッコワライって…」

雑誌を見た紗南は八重に会いたくて
仕方なかった。
この3年間なんの連絡もよこさず
自分はNYで全く違う道を歩んでいて
それを知るのはこんな雑誌で…

もしこの雑誌を手にしていなかったら
この事を知るのはもしかしたら
他人づてだったかもしれない。

そんな不満を全て八重に
ぶつけてやりたかった。
でも、八重に連絡を取る手段がない…

ずっと繋がらなかった八重の携帯は
いつの間にか解約されていた。
海外に拠点を移したなら納得だ。


「日本に出店するってことは
セレモニーとかあるはずだよね…」


紗南はぎゅっと雑誌を握った。

「紗南…もしかして…」

凛花は鏡ごしに紗南を見る。
紗南の瞳は真っ直ぐだった。

「行くわよ。おしかけて一発
平手打ちお見舞いさせてやる。」

凛花は慌てた。