気がつけば八重との別れから
3年が経っていた。
紗南は相変わらず
モデルとして必死に頑張っていた。


紗南の周りの誰一人
八重の行方を知らない。
八重の両親すら
息子の居場所がわからない。
八重はどこへ行ったのか…
そもそも生きているのだろうか…
紗南はただあの日
八重が言ったあの言葉だけを信じて
今日まで過ごしてきた。


撮影の合間に雑誌を読みながら
ヘアースタイルを直してもらう紗南。
紗南の身の回りで変わったこと…
紗南の髪を担当するのはそう、凛花だ。
凛花は一人前のヘアメイクとして
独立することができた。
紗南は凛花が独立してからすぐ
専属ヘアメイクに指名している。



ふと、
無造作に置かれたメンズ誌が目に入る。
八重がよく読んでいた雑誌だ。