一番近くて一番遠い

「でも、八重は私には
モデルの道を選べって事だよね…」


「やぁちゃんは後悔してるんだよ。
自分のせいで紗南をモデルの世界に
行かせちゃったこと。
だからせめて紗南の足を
ひっぱりたくないんだよ。」

「そんなの!
私は八重がそばにいてくれるなら
なんでもやれるのに!」

紗南は声を荒げた。
凛花は紗南を抱き寄せる。

「八重がいないんじゃモデルをやる
意味なんてないのに。」

紗南は小さな声でそう言った。

「八重ね
待っててくれとは言わないけど
必ず私を迎えに来るって言ったの…
だから私、待ってる…」

凛花は身体を離し頷いた。

「きっとこの話題が消えたら
ひょこっと帰って来るよ。」

凛花はニコッと笑った。

「うん。そしたら私
思いっきり殴ってやるんだ。」

紗南も崩れた笑顔を見せた。