一番近くて一番遠い

「そう…わかったわ。
それならこの件はこちらに任せて。
でも、しばらくは
おとなしくしておいたほうが
良さそうね。
少し仕事をキャンセルするわ。

自宅にマスコミが
押しかけてくるかもしれない。
もし、迷惑をかけたくないなら
ホテルを取ることも可能だけど?」

「そうする。
お母さん達に迷惑かけたくないし。」

「わかったわ。」


紗南は窓の外を見た。
八重は全て知っていた。
だからすぐ紗南が対応できるように
紗南と別れて姿を消した。
でも、紗南はそのやり方が
納得できなかった。
八重のためなら
モデルなんて辞めてもかまわない。
そう思っていたから。
八重の過去を受け入れる覚悟は
とっくにできている。
いつかこの日が来たら
潔くモデルを辞めるつもりだった。
でも、八重はそれを
選ばせてくれることなく
紗南の前から消えてしまった…
紗南はそれがたまらなく
納得できなかった。