一番近くて一番遠い










八重はいつものように
仕事をこなしていた。
すると、絵里もまた
いつものように八重に近づいてくる。
今日の撮影には紗南がいない。
それだけが唯一の救いだ。

「あのさ、
俺はあんたになにもできないから
他の男当たってくれないかな…」

いい加減絵里の対応に疲れた八重は
静かに言った。

「それは無理。私絶対千葉さんの
女になりたいもん。」

わかってはいるが
何を言っても無駄な絵里。
八重はため息をつく。

「そんなこと言えるのも今のうちよ?
千葉さん、SANAと
付き合ってるんでしょ?」

その言葉に八重が固まる。


「どこでそのこと…」


今日の絵里の表情は
どことなくいつもと違う。
なにか勝ち誇ったような…
そんな印象を受けた。

「休憩時間、少しいいかしら?」

絵里がニヤッと笑う。
なんだかその笑みが心に引っかかる。