一番近くて一番遠い

街へ出れば
やはり距離を少し取って歩く2人。

すれ違うカップルは手を繋ぎ
寄り添って歩く。

万が一八重とのツーショットを
撮られたとしても
お友達と言い訳できる範囲で
行動するしかない。


すれ違うカップルを
羨ましく見ている紗南に
八重がふと気づく。

「羨ましいか?」

紗南ははっとして我に返る。

「ううん。そんなこと…ある…かな。」

八重は苦笑いして

「正直だよなお前は。」

そう言った。

「映画観るか?」

八重が思い立ったように言う。

「え?何か観たいのあるの?」

紗南は首を傾げる。

「2時間手がつなげるぞ?」

八重はにやっと笑って見せた。
紗南は嬉しそうに笑った。