「やっと八重に触れる…」
紗南は自分に触れる八重の手を握って
八重の胸に顔をうずめた。
八重の背中に手を回し
ぎゅっと力を込める。
触れたかったのは紗南も同じ。
いつも絵里が近くにいて
さりげなく八重に触れたりしているのを
遠くから見ていることしか出来ない。
「煽ってる?」
八重が冗談交じりに笑う。
「ばか。」
紗南はそう言って
ぱっと八重から離れる。
こうして八重に触れられるのは
2人きりの空間だけ。
外へ出れば手を繋ぐことも
寄り添って歩くこともできない。
でも、それが2人の選んだ道だ。
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