一番近くて一番遠い

「いい加減諦めろよ。いくら俺でも
信が好きな女抱かねえよ。」

凛花の買ってきたお弁当を食べながら
ため息をつく八重。

「信があたしのこと諦めてくれたら
やぁちゃんがあたしのこと
見てくれるんだから空気読んでよ信!」

ふくれっ面で信を睨む凛花。

「無理!俺は凛が大好きだからー。
タラシの八重なんかに

凛は渡さないー!」

ニコニコとコーヒーを飲む信。

これがいつもの光景。
はたから見たらおかしな光景だ。
でも、八重も信も凛も
この関係がなんとなく好きだった。
ドロドロした三角関係とは
全く別物だからだろう。


「あ、ねぇねぇ
土曜日のお店ここでいい?」

凛花がクーポン誌を見せる。

土曜日は3人のバイトが
夕方に終わるので
飲みに行こうという話になっている。

「俺はどこでもいい。凛花に任せる。」

八重がそう言った瞬間
八重の携帯が鳴った。