一番近くて一番遠い











毎日やりとりするメールや電話以外は
ほとんど今までの生活と変わらない。
現場でも、今まであまり
会話をしてなかった2人は
あえてよそよそしくするしかない。

そんな生活が2ヶ月ほど続いたが
やっと紗南に丸一日のオフができた。
takaは約束通り、そのオフに合わせて
八重に休みをくれた。

紗南はいつになく早く目覚め
服選びにもメイクにも気合が入る。
出かける約束は12時だったが
紗南は待ちきれなくて
八重の家のインターホンを押す。

玄関を開けてくれたのは八重の母親。
こうしてきちんと面と向かうのは
久しぶりだ。

「あら!紗南ちゃん!
ますます美人になったわねー。
八重から聞いてるわよ!
あなた達付き合ってるんですって!?」

八重の母親がニヤニヤして言う。

まさか八重が自分たちのことを
母親に言っているとは
思っていなかった紗南は驚いた。


「あんな子だけどよろしくね。」

そう言いながら
紗南を招き入れてくれた。

「多分まだ寝てるだろうけど
上がってちょうだい。」