ー入学式の日ー

「あんたイケメンだね。」

ニコニコしながら八重に近寄る信。

「はぁ?」

初対面でいきなり何を言い出すのかと
呆れる八重。

「イケメンと仲良くなっとけば
カワイイ女のコと
知り合う率高いからさ!俺
木下 信。ま、よろしく。」

それが信と八重の出会いだった。


信のあっけらかんとした所や
人懐こい性格のおかげで
八重と信はすぐに意気投合した。


入学して半年が経った頃…

「見て見て!
あの人ちょーイケメンじゃない!?」

凛花の視線の先にいるのは
信と廊下を歩く八重。


「あぁ千葉くんでしょ?
友達が同じ高校だったんだけど
千葉くんてけっこー軽い人らしいよ。
あの人はやめといた方がいいよ。
遊ばれちゃうよ。」


「へぇ…」

「あ、ちょっと!凛花!」

そんな女友達のアドバイスを
聞いてか聞かずか凛花はずいっと
八重と信の前に現れた。


そしていきなり

「ねね!女癖悪いってほんと?」

八重を見上げながら言った。

「はぁ?てか誰だよ。」

八重は頭を掻いた。