一番近くて一番遠い

「あの女気をつけないと。
評判ちょー悪いんだから。
噂通りの腹黒女だわ。」

凛花はそう言って八重の手を離した。

「腹黒…女って怖ぇな。」

八重が苦笑いすると

「そんなのに気がつかない
男も男だけどね!」

と、凛花はむすっとした。





「今日の撮影紗南いないんだね。
久しぶりに会えるかと思ったのに…」

辺りをキョロキョロして
紗南の姿を確認できず残念そうな凛花。
紗南という名前が出て
ハワイでの出来事がまた呼び起こされて
モヤモヤする八重。

「なにその顔?
さては紗南となんかあった?」

さすが凛花は八重の些細な変化も
見逃さない。

「いや…ねーよ。なんも。」

「そう?」

「そう。」


八重はそう言って
衣装の準備へ向かった。