「ただ…」
八重が一呼吸おいて
「あんな顔誰にでもするんだな。」
「あんな顔…?」
「誰にでも顔を赤らめて
その気があるように
思わせてるんだろ?」
「な…そんな言い方しなくたって
いいじゃない!」
「事実だろ。振られたってそいつに
そんな顔するんだから。
まだ
あいつの事が好きだから…「やめて!」
八重の言葉を紗南が制止する。
「誰があんな人…」
「お前の言葉に説得力なんてねぇよ。」
八重はそう吐き捨てて
部屋のドアを閉めた。
深いため息をついて
髪をぐしゃっと掴む。
「あれ?
散歩に行くんじゃなかったのか?」
シャワールームから出てきたtakaが
髪を拭きながら
ドアの前に立ち尽くす八重に言った。
「…やめました。」
力なく笑う八重。
「ふぅん…なんかわかんねぇけど
じゃ、俺に付き合えよ。」
takaはそう言って冷蔵庫から
ワインを取り出した。
「…まだ飲むんすか。」
八重は苦笑いして、グラスを用意した。

