一番近くて一番遠い


「まだまだ俺は下っぱだし
もっともっと力をつけて
有名になって自立したいんです。」


takaは少し目を細めて


「まぁ、器用な人間じゃないと
両立は無理だわな。」

そう言った。

「え?」

八重がtakaを見る。
takaは八重を見つめたままだった。
整った顔のtakaは
まるで女性のような魅惑さえ感じた。

「俺もお前みたいにアシやってた頃
同棲してた女がいた。
でも、仕事の方ばかり優先しすぎて
女が寂しがって不安に思ってるなんて
気づかなかった。
ただ抱き合うだけで
相手の気持ちを確かめることを
しなかった。

気づいた時には女は家を出て行ってた。
今のお前は
きっと俺と同じようになる。」

全てを見透かすような瞳。


「俺もそう思います。
そんなに器用じゃない。」

八重はその瞳から目をそらす。