【続】早瀬くん、好き。



いじめられなくなって1ヶ月がたった頃
友達からいじめられなくなったのは中津くんが由梨ちゃんたちに怒鳴り込んだかららしい。

とういう話を聞いた。



「中津くん…。
由梨ちゃんたちに言ってくれたんだね。

ありがと」


放課後2人きりの教室で中津くんにお礼を言う。


本当中津くんにはよくしてもらってばっかだよね、私。


「元はと言えば俺のせいだし当然だろ…。

鮎原って本当いいやつだよな」



微笑みながらそう言った中津くん。



「そ、そんなことないよっ!
中津くんのおかげで高校生活充実してるしっ」



「はは、ならよかったよ」



「うんっ!
あ…でも中津くん好きな人いるんだよね?

同じ学校だとしたら何か悪いな。
学校では私といつもいてくれてたし…」




邪魔しちゃったよね…。



だけど、本当はこの時胸がちょっぴり痛んだ。

なぜかはよくわからなかった。

罪悪感で胸が痛んだのか、それとも今までずっと一緒にいてくれてた存在が遠くへ行ってしまうことに痛んだのか…。

それとも…。



「あー、それか。

俺の好きな人は…」



なぜか聞きたくないと思った。

聞いたら傷つくような気がした。


「あ…ごめんね!
もう私と一緒にいてくれなくていいよ?

充分守ってもらったしっ!

それに…中津くんは私にとって大切な友達だから中津くんの恋応援したいし…」



だから私は中津くんの声を遮ったんだ。



自分でいった言葉になぜか自分が傷ついててどうしよもなく胸が痛かった。