「えっ、翔?
翔はここに来ればいいじゃんっ」
…もうなにいっても無駄だ、この人。
今日会った初対面の男の人と私に一夜を過ごせと?
「とりあえず!
早瀬くんは行かないからっ」
「心春ちゃには聞いてないしぃー。
月夜くん呼んできてよぉー」
「…お前何勝手なこと言ってんの」
えっ、早瀬くん?
今の私に言ったのかな…?
由梨ちゃんと一夜をともにしたいってこと…?
「あっ、月夜くーん。
本当に心春ちゃんてば勝手でさぁー…」
だって…早瀬くんは私の彼氏だもん。
「ちげぇーよ。
鮎原に言ってんじゃない。
お前に言ってんの」
へっ?
私にじゃないの?
思わぬ言葉口がポカーンと開く私。
…でも多分1番驚いてるのは由梨ちゃんだと思うけど。
「えっ…?
月夜くんなに言ってるの…?」
案の定由梨ちゃんも私同様驚きを隠せないでいる。
「なにって、そのまんまの意味だけど。
俺はお前の部屋になんか行かねぇし、
鮎原と他の男を2人きりにさせるつもりなんてない」
早瀬くん…。
なんでいきなりそんなに冷たくなったんだ?

