【続】早瀬くん、好き。





はぁー。
もう全然楽しくない。

せっかくの海なのにな。

早瀬くんのバカッ‼︎


追いかけてきてもくれないし…。




「心春ちゃーん?」




えっ、誰?




「あーっと、由梨ちゃん?
どうしてここに…?」




会いたくない人に会ってしまったよ。
てか彼氏は?

由梨ちゃんは珍しく1人でいた。




「ちょうどよかったぁー。

あのさ私心春ちゃんに言いたいことあるんだけど」




そんなに睨まなくても…。


それに言いたいことって…?


嫌な予感しかしないんだけども…。





「月夜くんは私のものだから‼︎」




はい?





「えっと…由梨ちゃんて彼氏いるんだよね?」




「いるけど顔がいいから付き合ってるだけだしぃー。
ま、翔も同じみたいだけどねー?

翔より月夜くんのの方がイケメンだし。」




はぁ?

早瀬くんの顔だけ見てるの?

ありえない、ありえない、ありえない‼︎


早瀬くんにも今腹立ってるけど
由梨ちゃんにはもっとイライラする。



「なに…いってんの。

早瀬くんの顔だけが好きなの…?」





「そうに決まってるんじゃないー?

月夜くんそっけないし、無愛想じゃない。

それに心春ちゃんみたな可愛くもない子と付き合ってるなんて趣味も疑うわ」



無愛想?そっけない?


確かにそうかもしれないけど、
早瀬くんにはもっといいところがたくさんあるのに…。


わかりにくいけど誰よりも優しいのに…。




「…ざけないで」




「はぁ?なに?
聞こえないんだけどぉー」





「ふざけんなって言ってんの‼︎

別に私のことは何とでも言っていいけどね!
早瀬くんのこと何もわかんないくせに
わかった口聞かないでよねっ‼︎‼︎‼︎

早瀬くんはあんたなんかのこと好きになんてならないんだから‼︎」



ハァハァ…。


言いたいこと一気に言ったから息が乱れる。




「な、なによ!
なんであなたにそんなこと言われなくちゃならないのよ!」




そう言いながらくるりと私に背を向けて
プンスカと怒りながらどこかへ行ってしまった。



ふんだ‼︎


参ったか!


…。



てか言いたいこと言えてスッキリしたかも。


やっぱ溜め込むもんじゃないよね‼︎


早瀬くんにもきちんと言おう。

由梨ちゃんにヤキモチ妬いてたこと、

由梨ちゃんの彼氏のことら何とも思ってないこと、

全部正直に言って仲直りしよ‼︎


そうと決まれば戻ろうーっと。