「‥‥どうって言われても」
なぬっ⁉︎
なんだよ〜その反応はっ。
無表情だし。
「可愛いとか思わないの⁇」
「特には」
即答ですかいっ‼︎‼︎
もう早瀬くんのバカ。
女心わかってないんだから‥‥。
「‥私、本当はこんなの着たくなかったんだよ?でも早瀬くんをメロメロにさせたくて着たのにさっ‼︎‼︎」
バカバカ。
「‥なんだよ、メロメロって」
「それにさっ‼︎
何よ、No. 1ホストって‼︎
私聞いてませんよ⁉︎」
女の子にきゃあきゃあ騒がれちゃってさ。
「勝手にそうなってたんだから仕方ないだろ」
ツンとそう言い放つ早瀬くん。
「でもでも、可愛い女の子に囲まれてニコニコしてたくせーにぃ」
嫌味っぽく言ってやった‼︎
「仕事だから仕方なくやってるっだけだっつーの。
俺、女に囲まれんの苦手だって知ってんだろ」
そ、それは、知ってるけど‥‥さ。
「でも‥‥やっぱり嫌なんだもん。
早瀬くんにベタベタするのとか、早瀬くんのレアな笑顔とか、本当は冷たくないってこととか‥‥私だけできればいいのに。知ってればいいのにって思っちゃう‥」
欲張りだね。私。
彼女になっただけでも奇跡に近いのに。
もっと‥‥を求めてしまう。
「‥本当の俺を知ってんのはお前だけだろ。」
??
「私‥‥だけなの‥?」
「あいつらに向けてる笑顔なんて作りもんだから。ベタベタされてもうざいしキモイだけ。」
早瀬くん‥‥。
「けど、お前に作り笑い向けてるつもりはないしベタベタされてうざいとは思うときあるけどキモいとは思わねーよ」
とっても‥‥嬉しい言葉。
でも、うざいとは思うんですね。
それでも嬉しいっ‼︎‼︎
「早瀬きゅーん‥‥ッ」
私は早瀬くんにギューっと抱きついた。
「おーい、早瀬休憩時間終わりだぞ」
クラスメイトの声が聞こえる。
「じゃあ、俺行くわ。
お前は自分のクラス戻れ」

