「それは、生まれたときからずっと一緒にいるお前がよく知ってんじゃねーの?」


「え⁇」


早瀬さんが発した意外な言葉。



「…俺、好きとかよくわかんないしお前も知っての通り中学の頃なんかあんなんだったから尚更な。」



「でも、早瀬さんはその容姿だしモテましたよね⁇」



だとしたら、恋愛のひとつやふたつ経験してるんじゃ…。



「モテるっていうよりは、俺の地位とか権力が好きな女ばっかだったよ。
寄ってくる女はさ。

別に俺だって顔と体がよければ、なんでもよかったし人のことは言えねーんだけどな」



かか体ですか…。
俺、案外そうゆうの聞くだけで恥ずかしいんだよなぁ。


「じゃあ尚更なんで姉ちゃんを…?」


顔だってそこそこだし、体なんて幼児体型だし。


「なんつーかさ、俺の地位とか権力とかなしの俺を好きって真っ直ぐぶつかってきてくれたのは初めてでさ。
まぁ最初はまじでうざかったよほんとに…」



「はは…想像つきますよ…」



姉ちゃんだしな。



「でも、あいつがいるのが当たり前になってて居なくなるとか今では考えられねーし、考えたくない。

まあ、俺無愛想だからわっかりにくいけどな」



「早瀬さん…」



俺…なんてバカな誤解をしてたんだ。

早瀬さんが姉ちゃんの軽い気持ちで付き合ってるなんて。

早瀬さんはこんなにも姉ちゃんのこと考えてるんだな。