「へぇー。俺1ヶ月も眠ってたのか。
…てか何で親父のこと知ってんの」
あ、そっか。
早瀬くん知らないのか
お父さんが早瀬くんのこと全部私に教えてくれちゃったこと。
「ふふ、内緒ーっ」
結婚するとかって言ってたんだもんね。
そんなこと私にバレてるってわかったら早瀬くん取り消しとか言いかねないし。
「教えろ」
そんなに睨んだって教えないもんっ
「教えないよーだ」
「…俺、病人だぞ?
病人いじめんなよ」
全然病人らしくないくせに。
それにいじめてないよこれは。
「しーらないっ」
ーガラガラッ
私たちがやり取りをしている間に
医者や看護師数人が入ってくる。
そこには早瀬くんのお父さんもいた。
「なんだお前。
随分ピンピンしてるな」
早瀬くんのお父さんは早瀬くんに向かってそう言う。
「あぁ。
けど、残念。
右腕がピンピンしてねーよ」
えっ⁈
右腕どうかしたのっ‼︎⁈
そういえば早瀬くんずっと左手しか使ってなかった。

