「あぁ…。
ごめんな心配かけて」
そう言って早瀬くんは片手で私を抱き寄せる。
フワッ
早瀬くんの匂いがする。
懐かしい…。
たった1ヶ月なのにこんなにも懐かしく感じる。
私は早瀬くんの片に手をまわして
泣き続けた。
早瀬くんは何も言わずにただ私を抱きしめてくれた。
「…落ち着いたか?」
「うん…」
涙もすっかり枯れて
私はもとのパイプイスに座っていた。
……てか何か忘れてるような。
んー?なんだろ?
「あーーーーっ‼︎‼︎」
「…なんだよ。
うるせーな」
いきなり暴言でましたね。
あなた一応病人ですよ?
「だ、だって、お医者さん呼んでないよ!
普通目が覚めたら呼ぶよね⁈」
早瀬くんがあまりにも普通すぎて忘れてたよ。
「別にいいよ。
俺異常ないし」
「でも、呼ぶのっ‼︎」
のほほーんとしてる早瀬くんはほっといてナースコールを押した。
「…早瀬くん本当に1ヶ月も目覚まさなかったからお父さんもきっと心配してるよ?」
多分、喜ぶだろうな。
早瀬くんが目を覚まして。

