「おい、大丈夫か?
かなりうならされてたけど」
ベッドに座っていたのは
他のだれでもない早瀬くんで…。
ちゃんと目もあいていて話してる。
…本当に早瀬くんなんだよね?
どっからどうみても正真正銘ホンモノの早瀬くんだった。
ポロポロ
泣かないと決めてたはずなのに、
笑顔で迎えるってきめてたはずなのに…
やっぱりムリだよ…。
泣かずになんていられない。
「…大丈夫かはこっちのセリフだよ…ッ」
早瀬くん一生目を覚まさないかもしれなかったんだよ?
…でも、よかった。
本当によかった…。
「俺は全然平気だよもう」
早瀬くんはそう言って微笑む。
早瀬くんだ…。
早瀬くんなんだ。
「ほんと…にッ
よかっ…た」
次々出てくる涙をブレザーの裾でふく。

