…んー?ここはどこ?
夢の中?
私は何にもない場所で1人立っていた。
何をするわけでもなくぼーっと立っていた。
何故かそれが恐怖に感じられた。
誰もいない。
何にも聞こえない。
まるで…早瀬くんが一生目を覚まさないかもって
早瀬くんのお父さんに言われた時のような感覚におちいる。
怖い。怖いよ…。
誰か…。
誰か助けてよ。
早瀬くん…っ。
助けて…。
「…はる」
暗やみで怯えてる私の耳に聞き覚えのある声が響く。
懐かしいようなそうでもないような。
「…こはる」
…この声知ってるよ私。
私が大好きで大好きで仕方ない人の声。
「…起きろ。心春」
パチっ
目が覚めた。
怖い夢をみたような気がする。
そして私の名前を誰かが呼んだ気がする…
「…え?早瀬くん…っ!?」
確かにあの声は早瀬くんだった。
私はガバッと起き上がりベッドの方へ視線を移す。

