あの事件からもう1ヶ月が経とうとしていた。
私は1ヶ月間。毎日毎日学校帰りや休日は早瀬くんのお見舞いに行き続けていた。
けど、早瀬くんは目を覚ますことなく
学校では文化祭がすぐそこまで迫っていた。
「じゃあ私今日はこのくらいにするね。
バイバイ」
私は文化祭の準備を途中で切り上げてお見舞いに行くのが日課になりつつあった。
文化祭の準備終わってから行くと外暗いし。
「うん!気をつけてね?
心春のメイド服楽しみにしてるー」
愛花はそう言って私に笑顔を向ける。
「えー、本当に着るんだあれ。
てか愛花だって着るんだからね?」
私たちのクラスは喫茶店というありきたりな出し物だった。
女子は全員メイド服で男子はウエイターの服装。
「はは、知ってるって!
私はなんでも似合うからいいのー‼︎」
「はいはい。
そうですかぁー!」
いつもと変わらない愛花との会話。
多分…私に気を使って早瀬くんの話題をさけてるんだろう。
それは愛花だけじゃなくて雄介くんも
クラスのみんなだって避けてる。
けど…それが辛かったりもする。
早瀬くんの存在が本当になくなってしまいそうでどこか怯えてる私がいるんだ。
でもみんな早瀬くんのこと忘れてなんかいないってわかってる。
わかってるんだけどやっぱり怖いんだ。

