【続】早瀬くん、好き。



「じゃあ…俺らそろそろ帰るな…?」


「心春も遅くならないうちに帰りなよ?」



愛花と雄介くんは複雑の表情をしながら
早瀬くんの病室を出て行った。




早瀬くんは今日も眠ったまま。




早瀬くんにあげるはずだったネックレスはまだカバンの中に眠っている。



早瀬くんが目を覚ましたらあげよーっと。



大丈夫。

早瀬くんは目を覚ますから。



きっと、このネックレスだって



つけてくれるから…。




ガラガラー



「どう?
月夜の容体は?」



白衣を着た早瀬くんたちのお父さんが病室に入ってくる。



「あ…まだ変わらないです…」



「そうか…。
何かあったらすぐ呼んでもらえると嬉しい」



「はい…」



「じゃあ、また…」



早瀬くんのお父さんはすぐに病室を出て行ってしまったけど、



表情をみてれば苦しいって言うのが伝わってくる。


悲しくてたまらないのが伝わってくる。



私も、私だって苦しいよ?

悲しいなんて言葉じゃ表せないほどに


辛いんだよ?




けど…、1番辛いのは、頑張っているのは早瀬くんだから



私は泣かないからね?早瀬くん。