午前の授業を全て終えた私たちは
お昼ごはんを食べていた。
いつもとても美味しいお母さんのお弁当も
味がしない。
考えるのは、いつだって早瀬くんのこと。
「鮎原!
ちょっといいか?」
声がした方に視線を写すと雄介くんだった。
雄介くんが私に用事?
珍しいな…。
「心春、きっと早瀬のことだよ?
行っておいで」
「う、うん…」
優しい愛花の言葉に見送られ
私は雄介くんと屋上へ向かった。
「月夜は?
まだ目ぇ覚めないのか?」
「うん…」
私の言葉にいつもヘラヘラな笑顔からは想像できないほどに曇る雄介くんの顔。
「…話たいことってそれ?」
「いや…、俺さ迷ったんだぞ?
月夜がこんな状態の時に言うなんてさ。
けどやっぱ俺が忘れないうちに鮎原には言っときたいからさ」
「うん…?」
なんだろ…??
雄介くんの表情から真剣な話だっていうことはなんとなくわかった。
「あいつが…月夜が鮎原と別れた理由は知ってるか?」
それは…私を守るためだよね…⁇
「あ、うん…」

