7月に入り、1学期期末テストも終わった頃
とうとう母が私に話を振った


「アンタ、そう言えば選抜のオーディションいつあるの?」


一瞬、言葉に詰まる

そろそろ、黙っているのも限界だ


「もう、終わったよ」


冷静に絞り出した声は
か細く、淡々としていた


「はぁ?いつ?」

「6月くらい」

「なんで、もっと早く言わんの?…で、受かったの?」


溜息をつきつつ私を見る目は
当然だと言わんばかりの圧がある