その週の土曜日

私は彩乃と学校から5駅離れた
賑やか駅に来ていた

中高生から大学生、社会人と
華やいだ雰囲気で楽しそうに人が行き交う


「もう、始まってるよね?」

「うん、多分」


私と彩乃は足早に目的の場所へと
足を進める

大きい広場に足を踏み入れた途端
耳を劈くほどの大音量の音楽に
一瞬体が震えた

大量の人に目的のものがよく見えない


「上、上がってみよっか」


私は音楽に負けないように声を張り上げた

彩乃はちゃんと伝わったようで
頷いてきた

2人で人を掻き分けて階段を上る

上手く前に進めない事に
もどかしさを感じながら…