そこに音がある限り first J.C.【大幅加筆、修正中(現在P91まで公開)】


「皆さん、オーディションお疲れ様でした」


和真先生がゆっくりと私達を
見回しながら口を開く


「今から今回のオーディションの結果を発表しますが、正直言って接戦でした。皆、今日のために練習したんだろうなってのが伝わってきました。
ただ、それでも今回はオーディションって事なので何処かで白黒付けなきゃいけなくて、このメンバーを選びました」


そう言って和真先生は手元の
メモに視線を落とした


「ただ、接戦でメンバーを選んだって言ったけど、落ちた人には落ちた人のそれなりの理由があって落ちてる訳だから、それをきちんと自分で考えて下さい。
じゃあ、今から名前呼ぶので呼ばれたら前に出て座ってください」


教室内が静まり返る

窓の外で激しい雨が降る音だけが
鮮明に耳に響いた