「よしっ、こんなもんかな」


私は自分の生け終わった花たちを見て
満足気に頷く


「え、早っ」

「早くしないと先に先生呼んできちゃうよ?」


私は笑いながら彩乃を見る

彩乃ももうすぐで終わりそうだ


「えー、待ってよー!」


そう言いながらも彩乃も笑った


2人で池坊の先生を呼んで
それぞれアドバイスを頂いた

花袋に生けた花を包みながら
思い出したように口を開く


「そう言えば、オーディションって何やるんだろうね?」

「さぁ?でもやっぱり振りじゃない?」

「来週からやるって言ってたやつかな?」

「だと良いけどね。当日にいきなり振り入れされたやつでやるって言われたら無理。私、覚えるの遅いもん」


彩乃が本当に嫌だという様に
顔を顰める