ジリジリと照らす太陽の光。
いつの間にか、季節は夏に変わっていたんだなぁ。
「あっつー。 何でこんな中、こんなに勉強しなくちゃならないの」
小声でそう呟いた。
私、永井彩海。中学2年生。
テスト前だから、今週は毎日塾で自習してなさいって、お母さんに言われちゃって。
「ガチャ」
私がいる自習室に誰かが入ってきて、少しビクッとしてしまった。
・・・知らない人だ。 高校生かな?
どうしよう。 2人きりだ。
ちょっと緊張しちゃうなぁ。
「バサバサッ」
あー、教科書落としちゃった。
私が拾おうとしたら
「・・・はい」
先輩に拾ってもらっちゃった。
「あ・・・ありがとうございます」
「気をつけろよ?」
そう、私に言った先輩は、優しく微笑んだ。
ちょっとドキッとした。
・・・でも今は気にせず集中しよう。