"わーっ!わーっ!"


大観衆がテレビから聞こえる。



"4番 ファースト 野坂くん"



"いけーっ!打てーっ!野坂ーっ!"




パンッ!

パンッ!




…パンッ!


"スリーアウト!ゲームセット!"



相手のピッチャーが三振をとった瞬間だった。


甲子園の切符はピッチャー側がとった。



「すげー…。」



隣で春人が呟いている声がきこえる。



そんなことは気にせずに私は目が釘付けになっていた。




「かっこい…。」







私が、野球に恋した瞬間だった。