りんごの木の下




で。


結局…



「ヤダよ怖いよー。 ねぇやだ、ホントに泣いちゃう」


真ちゃんに腕をがっちり掴まれたあたしは、お化け屋敷に入る前から半べそ。


「こんなので泣くなよ、高校生だろ」


「高校生でも大人でも子供でも関係ないよー」


「ハイハイ」


「ねぇ違うの、ホントにやなんだってば。 ヤダっていうより無理なんだってば」


「ハイハイ」


「ちゃんと聞いてよ。 あたし気分悪くなっちゃうぐらいダメなのに」


「ハイハイ」




ダメだ……


真ちゃんはもう聞く耳持ってくれない。



もうそろそろ順番きちゃう…


あたしはきつく目をつぶり、真ちゃんに掴まれた腕を掴み返すようにギュっと握った。