りんごの木の下




「え? 何で? 真ちゃん、嬉しいの?」


あたしが恐る恐る顔を除き込むように尋ねた。



「当たり前だろ! 遊園地なんて、何年ぶりだよ!」



あ………はぁ。


そうですね、そうですよね。



「茉莉だけよっ、喜んでないの。 真ちゃんも気に入ってくれたのに」


「だってぇ…。 全然わくわくもドキドキもしないもん。 魅力を感じられない」


「あっ! 分かったぁ…お化け屋敷もジェットコースターも乗れないからでしょ」


「それもあるけど~……」



それもあるけど。


でも、こんなショボい遊園地のお化け屋敷とかジェットコースターなら、あたしでも乗れそう。




まぁでもせっかく連れてきてくれたんだし、今日は楽しむか。