りんごの木の下




真ちゃんは耳にイヤホンをつけながら寝てしまっているのか、動く気配がない。


イヤホンを抜くと、大音量の音楽が流れ出てきた。



「うるさっ! 真ちゃん! 起きてよ!」


あたしは真ちゃんをゆさゆさとゆすった。



そのうちに、真ちゃんがモソモソと動きだし、ゆっくりと目を開けた。




そして――



「おぉっ!! 遊園地!!」





って……


何で喜んでるんですか、真ちゃんは?




唖然と口を開けるあたしの横で


真ちゃんは小さい子のように窓ガラスに手をつけて喜んでいる。