りんごの木の下




―――

――――――



「……で?」


「何が『で?』よ! サプライズだってば! 忘れちゃったの?」


不機嫌なあたしに、なぜか上機嫌のお母さん。


「だって…どこよ、ここ」


「だーかーらー! 遊園地だってば! 入ってくるとき見なかったの?」


「いや見たけどね? 目を疑っちゃったの」



だって、遊園地だよ?


高校生にもなって、遊園地だよ?



しかも大きい遊園地ならまだしも、市内にあるちっちゃい遊園地。


大袈裟かもしれないけど、今にもつぶれちゃうんじゃないかってぐらい。



あたしはお母さんに分からないように、大きなため息をついた。