小さな指輪~君がくれた大切な…~

準基は近くの机にもたれかかる。
…忘れ物はどうしたのか分からない。
その間も吹奏楽部の演奏は続いてる。
何か…話題作らなきゃ。

「あの…」

沈黙を破ったのは準基の方だった。

「よかったらさ…一緒に……」
「あぁ!準基!ここに居たのぉ?」


誰かが準基の言葉を遮った。
…あぁ、マネージャーさんか。

「ねぇ、準基!探したんだよ?
早く一緒に帰ろ?」
「あぁ…うん。」


チラッと私を見た準基。
でも、何も声をかけてくれる訳でもなくて、そのまま教室を出て行った。


…準基は何が言いたかったのかな。