…マネージャーさんや取り巻きの女の子達と楽しそうに喋りながら部室へと戻る準基。

「ヤキモチ?」

萌に耳元で問いかけられた。

ヤキモチじゃないよ。私には手が届かないんだろうな‥って寂しくなっただけ。

「ふーん、そうなんや。で、諦めるん?」
「えっ?」
「声に出てましたよー」

クスクスと笑う萌。
…周りに萌しか居なくてよかった。

「萌は涼介にヤキ… 」
「俺が何か?」

ふと現れた涼介。もしかして聞かれてた…?!

「何もないでーっ!な!彩香?」

うん、と萌に話を合わす。
萌の顔が少し赤くなってる。
可愛い… 笑

「あ、この後飯食いに行かへん?」
「うんっ!行きたい!」

本当、嬉しそうな萌。
周りから噂されてるの知らないのかな。
ー萌と涼介、本当は付き合ってるーって。

「彩香も行くやろ?」
「んー、今日はちょっと用事があるから、2人で行ってきたら?」

…と、まぁ空気を読んでみた私。

そうするか、と涼介もOKみたい。

教室へ荷物を取りに行くときに
何度も何度も「ありがとう」「どうしよう」を聞かされた私。
…本当に萌は楽しそう。

いいな‥。私と準基なんて…。
ため息しか出ないや。