鈴芽 ~幸せのカタチ~

私は帰ろうとしたが、
イチローにいてていいと言われ、狭い部屋なりに遠巻きに大人しくしていた。

『理名、お母さんには言ってきたのか?』

『手紙置いてきた。』

『何て?』

『お父さんに会いにいってくるって。』

『ハァ…。
送ってあげるから一緒に帰るぞ。
お母さん心配しているだろうから。』

『やだー!
今日は泊まるの!
お泊まりセットも持ってきたもん!』

泣き出してしまった。