鈴芽 ~幸せのカタチ~

確かに私の顔もひきつってただろうが、
女の子は目を見ようともせずにそう答えた。

イチローは電話を切ってから本当に早く帰ってきた。

息を切らして、汗もかいていた。

ドアが開いて、イチローの姿を見るなり女の子は立ち上がって抱きついた。

『お父さん!!』

『理名…。』

イチローが見たことのないお父さんの顔になっていた。

胸がチクっとした。