鈴芽 ~幸せのカタチ~

まさか、イチローの子どもだなんて。

娘がいるのは聞いてたけど、まさか会いにくるなんて。

ジュースを飲む横顔をまじまじと見たが、
イチローとは似ていなかった。

『あの、おかわりいれようか?』

『いえ、もういいです。
お父さんは何時頃帰るんですか?』

『あ、今日は早いって言ってたから、8時ぐらいかなぁ〜。』

その答えに女の子は不満そうだった。

ものすごく気まずい空気が漂う中、
早く一郎が帰ってくることだけを願っていた。