ハンカチにアイロンをあてる。

オジサンのハンカチだ。
あのあとすぐ祐介がやってきて、私は帰った。

オジサンはいいと言ったが、洗って返しますと言って私はハンカチを持ち帰った。

もう少しオジサンと話がしたかったのかもしれない。

私は今まで鳩に餌をやるオジサンを見ていて、幸せそうと思っていた。

でも近くで見るオジサンの顔は少し悲しげで、
力無く、でもとても優しそうに笑う人だった。