鈴芽 ~幸せのカタチ~

『そうだな。』

イチローはやさしく微笑んだ。

木々が風に揺られ、

その風が私の頬をやさしくなでる。

生きていて本当によかったと実感した。

『そろそろ帰ろっか?

お父さん心配するね。』

でもイチローは車椅子を押してくれなかった。

『イチロー?』