ら「はぁ…はぁ…」
1時間くらい経ったのか…
松岡さん、生き抜いてくれたといいんだけど。
無我夢中、我武者羅に目の前の敵を倒すことしか考えてなかったから松岡さんとは途中で別れてしまった。
ら「痛…」
敵がいなくなった安心感からか
銃弾が掠めた左腕やら切り傷やらの痛みがが突然襲ってくる。
多分、私たちが戦ってるこのあたりは幕府側有利でほぼほぼ決着がついているはずだ。
一旦陣に帰ることも考えたけど、その前に反対側の方の戦に参戦しなきゃ。
あっちには確か、土方達の新撰組の多くの隊士が戦っているはずだ。
もうすぐ日が暮れる。
疲労感と傷の痛みに耐えながらゆっくりと歩き出した。
しっかりと周りを見渡すと倒れていった兵の数々や武器、血痕が生々しく残っていた。
せめて私の他に仲間がいればいいんだけど、散り散りになってしまって、時々会津兵とかとすれ違う程度だ。
ら「すみません。向こうの戦はまだ?」
「新撰組の方ですか?向こうはまだこちらの有利らしいです。それにしても、味方も敵も酷い有様だ。これじゃ地獄絵図みたいなもんですね。」
ら「ほかの方達は?」
「生存してる方達はいちど本陣の方へ帰られました。
あ、長州の兵達も散り散りで潜んでるらしいですから道中襲われんように注意してください。」
ら「ありがとうございます。では。」
一礼してその場を立ち去ろうと歩き出す。
ここに倒れているのは敵兵なのか味方なのか見分けがつかない。
だって、みんな日本人だから。
服装が違うだけ、相手だって袴の人だっているし。
未来の人からすれば日本人同士の戦は馬鹿馬鹿しく思うんだろうし、私だってそう思ってた。
まさか自分がそれに加担するなんて。
ら「思ってもみなかったなぁ。」
自嘲気味につぶやくと浅葱色の羽織りを探していく。
みんなが生きて陣に戻っているように。
そんなことが起きてくれないかなって少しだけ願いながら。

