それからはあっという間に1日が過ぎていった。
十伍の状態も聞くこともできてないし…。
ら「ふぅ……」
十伍、腕使えなくなったらどうするんだろうな…というより、弾抜いた後の感染症とかのほうが心配。
そんな事を思いながら負傷兵を介抱する場所をでて、みんなが寝たり食事したりする仮設の場所へ行き、縁側に座り込む。
少し休憩したらまた戻らなきゃ…。
ふと見上げるとめちゃくちゃ綺麗な星空で、なんか安堵したのか眠くなってくる。
土「おい。」
ら「わお、なんか久しぶりだね。」
ふーっと息をはき、土方は私の横に座る。
土「お疲れさん、これ食え。ろくに寝食いしてねぇだろ?」
懐から少し形の悪いおにぎりをとりだして差し出してくる。
ら「わ、ありがと!」
土「悪い。」
ら「んむ、何が?」
土「ふっ、食ってからしゃべれ。…いや、十伍の事だ。あいつ、俺のこと庇いやがったんだ。夜襲で、俺の代わりに撃たれた。」
ら「え、そうだったんだ…」
確か、十伍は土方と同じ方の配列にいた気がする。
ら「土方が謝る事じゃない。
でも、十伍の腕の代わりに救ってもらった命なんだから、無駄にしないで。これで土方が死んだら、十伍が報われない。」
多分、見識の浅い私でも十伍の腕は使い物にならない、そんな気がする。
……貫通ギリギリのところだった。
土「あァ…死に急いだりしねぇ。十伍には出来るだけの事をしてやろうと思ってる。」
ら「うん…。」
十伍の武士生命の危機なのに、特段大騒ぎする気力さえも残っていない。
感情的になれない自分に少し驚く。
土「らん」
ら「ん?」
土「膝貸してやるから、少し寝ろ。」
ら「膝枕してくれるの?隊士たちいるのに鬼の副長さんがそんな事していいの?」
笑いながらそう言うと照れたようにそっぽを向く土方。
土「うっせぇ、いいんだよ。そんな事言ってる場合か!疲れすぎだ、頭休ませて元気取り戻せ、バカ。」
ら「バカとはひどいなぁ〜。
じゃあ、遠慮なく!」
土方の膝に寝っ転がると、案の定周りの目が突き刺さる。
「え、鬼の副長が?」とかコソコソ言われてたけど、いいって言ってくれたんだから少しだけ甘えさせてもらおう。

