ぼくは友人を誘って界外へ出かけた。
界外での界収ルールは1つ。もちかえれるモノはそれぞれ一点のみ。

さっそく宝さがしさながらに、あちこちさがし回った。

修さんは何処かの国の後ろ姿の女性ばかりあつめた写真集。

ペロ子は、あやしげな生き物のぬいぐるみ。
背中の線を引くと。なにやら言葉を喋るが、何語かさっぱりわからない。
「◎*#%△¥∈∂□」

すんごくさんはルゥー・ヴェトンの犬かばん(ハウンドバック)。尻尾をふりふりついて来る。
小さくても猟犬なのだ。

ミナムくんは今回バイトがあってこれなかった。

スゥーさんは
ゆらゆら揺れて光る電蝕くらげ。ピンクや緑、黄色の光り。色がかわってかなりキレイだ。

アーヤさんは
瓶に閉じ込められた風の精(シルフ)を見つけた。
心優しいアーヤさんは蓋を開けて逃がしてあげたが、なぜかアーヤさんの周りをヒューヒューうれしそうに回っている。

詩乃さんは
とても美しいどこかの国の民族衣装を見つけて、さっそくその服に着替えていた。

菓子実さんとアツケさんは、向こうでまだ楽しそう何かさがしている。

ぼくは何かを感じるままに歩いていた。
モノと引き合う力があるはずだ。
波長が合えばかならず呼び合うだろうから。

それはコロンと落ちていた。
へたのない巨大な苺だ。
辺りには甘い香りが広がる。
ぼくは一目惚れして、それを抱えあげた。

なんだ、ずっしりと重い。
何かがつまってるのだろうか。

しっかりと抱えてみんなの元へもどった。

ぼくらはそれぞれ宝モノを見つけて家路についた。